「ママ、抱っこ!」が、本当はちょっと辛い…
「はぁ〜…。Mai先生、Reiさん、聞いてくださいよ…。最近、息子が『ママ、抱っこ!』って甘えてくれるのはすごく可愛いんですけど、正直、腰がズキッとして、笑顔で応えるのが辛い時があるんです。」
「あらあら、Konokaさん、お疲れ様。育ち盛りのお子さんだもの、大変よね。私も孫を抱っこする時、つい『よっこいしょ』って言っちゃうわ。」
「そうなんです。それに、妊娠前のズボンが全然入らなくて。お腹だけぽっこり出ちゃってるのが、鏡を見るたびにため息で…。”産後だから仕方ない”って自分に言い聞かせているんですけど、本当にそうなのかなって。」
Mai:「Konokaさん、そのお悩み、打ち明けてくださってありがとうございます。すごくよく分かりますよ。家族のために頑張るママは、自分の身体のことは後回しになりがちですよね。その『仕方ない』と諦めてしまいがちな、ぽっこりお腹や腰痛、もしかしたら『骨盤底筋(こつばんていきん)』のゆるみが原因かもしれません。」
「骨盤底筋?あまり聞きなれない言葉ね。私も最近、お腹周りがなんだか緩んだ気がして…更年期だからかしら。」
「そうですよね。でも、特に産後の女性にとっては、身体の調子を左右するとても大切な筋肉なんです。骨盤底筋の機能は、産後だけでなく、Reiさんのように加齢によっても低下することが分かっています。エストロゲンの減少により筋力が低下しやすくなるという報告もありますよ。今日はその骨盤底筋について、産後のKonokaさんの悩みを解決するヒントを交えながら、詳しくお話しさせてくださいね。この記事を読み終わる頃には、ご自身の身体との向き合い方がきっと変わるはずですよ。」
あなたの不調、原因は”骨盤の底”にありました
「骨盤底筋…。具体的には、どんな筋肉なんですか?腹筋とは違うんですよね?」
「はい、腹筋とは違って、もっと身体の深部にあります。骨盤底筋というのは、骨盤の底にハンモックのように張り巡らされている筋肉の集まりです。膀胱や子宮といった内臓を正しい位置に保ち、排泄(おしっこや便)をコントロールするという、重要な役割を担っています。」
「身体の土台のような筋肉なのね。それが緩むと、大変なことになりそう。」
「まさにその通りです。妊娠中、赤ちゃんが成長するにつれて、この骨盤底筋は大きくなる子宮を支えるために常に引き伸ばされた状態になります。そして、出産時には赤ちゃんが産道を通り抜ける時に、さらに大きなダメージを受けるんです。いわば、”弾力性の失われたゴム”のような状態になってしまうんですね。」
「伸びきったゴム…!だから、内臓を支える力が弱くなって、お腹が前に出たり、腰に負担がかかって腰痛になったりするんですね…。」
「その理解でバッチリです。医学的には、腹部の深層筋(腹横筋など)や背骨を支える筋肉(多裂筋)と、この骨盤底筋は連動して働く『インナーユニット』と呼ばれる重要な体幹安定システムを構成しています。骨盤底筋が緩むと、インナーユニット全体が機能不全に陥り、体幹の安定性が失われてしまうんです。結果として、腰痛やぽっこりお腹(腹直筋離開を伴うこともあります)、そして尿もれといった症状が現れやすくなります。」
「その腹直筋離開っていうのは、Konokaさんのお腹のぽっこりも関係があるのかしら?」
「はい。腹直筋離開とは、お腹の真ん中にある『腹直筋』という筋肉が、妊娠中に引き伸ばされて左右に離れてしまう現象です。これは産後、骨盤底筋の緩みと連動して、体幹の安定性を著しく低下させる原因になります。産後のぽっこりお腹は、単なる皮下脂肪ではなく、この腹直筋離開や内臓を支えきれない骨盤底筋の機能低下が原因である可能性が高いんです。」
「なるほど…。だから、子どもの抱っこで腰が痛くなったり、姿勢が崩れてしまったりするのも、全部繋がっていたんですね。」
【専門的視点】抱っこによる姿勢崩れと慢性腰痛の連鎖
「はい、特に子育て中のママは、『抱っこ姿勢』による慢性的な負荷が問題になります。お子さんを抱く時、無意識のうちに骨盤が前に突き出た『反り腰』や、背中が丸まった『猫背』になりがちです。この偏った姿勢は、以下のような悪循環を生みます。」
「ですから、単に腰だけをマッサージしても、姿勢という根本原因と、骨盤底筋という土台の緩みが解消されない限り、腰痛は繰り返されてしまうんです。」

ピラティスが「伸びきったゴム」を再生する理由
「その大切な骨盤底筋を、どうやって元に戻すことができるの?自己流の体操では、なんだか不安で…。」
「ですから、単に腰だけをマッサージしても、姿勢という根本原因と、骨盤底筋という土台の緩みが解消されない限り、腰痛は繰り返されてしまうんです。」
「ピラティスが産後ケアや骨盤底筋の機能回復に特化しているのは、主にこの3つの要素があるからです。」
1. 正しい「胸式呼吸」によるアプローチ
「ピラティスでは胸式呼吸を使います。息を吸う時にお腹を膨らませず、肋骨を横に広げ、吐く時にお腹を薄くしていきます。この『息を吐ききる』動きと連動させて、骨盤底筋を『引き上げる』感覚を練習するんです。横隔膜の動きと連動させることで、無理なく、深部の筋肉に刺激を入れることができるんですよ。」
2. 腹横筋との「連動」を再学習
「骨盤底筋を収縮させると同時に、お腹をコルセットのように締め付ける腹横筋も自然に働くように、身体に正しい感覚を覚えさせます。これにより、意識せずとも体幹が安定する『天然のコルセット』を再構築できるわけです。特に腹直筋離開がある場合は、この腹横筋の働きを取り戻すことが、お腹を引き締めるための最も安全で効果的な方法だとされています。」
3. 背骨の「しなやかさ」を取り戻す
「いくら骨盤底筋だけを鍛えても、背骨が硬く丸まったままだと、常に下向きの圧力がかかります。ピラティスでは、背骨を一つ一つ丁寧に動かす(分節運動)練習を繰り返し行い、背骨全体の柔軟性としなやかさを取り戻します。これが、骨盤底筋を圧迫しない、負担の少ない正しい姿勢へと繋がります。」
「なるほど!ただ単に筋トレをするんじゃなくて、呼吸や姿勢全体を通して、身体の使い方をリセットしていくんですね。理学療法士のMai先生だからこそ、その連動性がより分かりやすく、安全に学べそうです。」
まずは30秒!簡単セルフチェックと呼吸法
「私、骨盤底筋がゆるんでいるか、自分でも分かりますか?そして、自宅でできる簡単な『初めの一歩』を教えてほしいです!」
「ええ、もちろんです。まず、ご自身で身体の状態に気づくことが大切です。ぜひ、この記事を読んでいる皆さんも試してみてください。」
骨盤底筋ゆるみ度・セルフチェック(再確認)
「もし、『うまく力が入らない』『どこを締めたらいいか分からない』と感じたら、骨盤底筋がうまく使えていないサインかもしれません。」
「やってみました…。やっぱり、キュッとする感覚がすごく弱いです…。」
「大丈夫ですよ、Konokaさん。感覚が弱いということは、それだけ伸びしろがあるということです。大切なのは、まずご自身の身体の状態に気づくこと。そこがスタート地点です。そして、次の簡単な呼吸法から始めてみましょう。これを『骨盤底筋と腹横筋の連動呼吸』と呼びます。」
自宅でできる「骨盤底筋と腹横筋の連動呼吸」

「なるほど、ただ力むんじゃなくて、呼吸と連動させるのがコツなのね。これなら、テレビを見ながらでも、無理なく続けられそうだわ。50代の私でも、この『天然のコルセット』を再構築できるのかしら?」
「もちろんです。筋肉は何歳になっても鍛えることができます。特にインナーマッスルは、重い負荷をかけるより、『正しい意識』と『継続』が重要です。Reiさんのような50代以降の女性の尿もれや姿勢の崩れといった悩みも、骨盤底筋と腹横筋を連動させるこのピラティスの考え方で、改善が期待できます。」
「私だけ」の悩みを、「自信」に変える第一歩
「Konokaさんを見てると、産後のケアって本当に大切なのね。でも、自己流で鍛えるのは難しそうね。特に産後の方は、自己流で間違ったやり方をして、かえって体を痛めてしまったり、回復を遅らせたりしないかしら…。」
「Reiさんのおっしゃる通り、骨盤底筋は非常にデリケートな部分で、間違った筋肉を使ってしまうと、逆効果になることもあります。特に産後の方は、関節の靭帯が緩んでいる状態(リラキシンというホルモンの影響)がまだ続いている場合もあり、安全な指導が不可欠です。」
「だからこそ、専門家のサポートを受けながら、”正しく感じて、正しく動かす”練習をすることが、改善への一番の近道なんです。私のピラティスは、理学療法士の国家資格を持つ視点から、出産や加齢で変化した身体の構造を深く理解し、その方の回復段階や、腹直筋離開の有無に合わせて、安全で最適なアプローチを行います。」
「なるほど…。今までずっと一人で悩んでいました。誰に相談していいかも分からなくて。でも、原因が分かって、理学療法士の先生の指導で正しくケアすれば変われる可能性があるって知れただけで、なんだかすごくホッとしました。」
「よかったです。産後の身体は本当にデリケート。決して一人で無理をしないでくださいね。もしあなたが、本気で身体を変えたい、もっと快適な毎日を送りたいと思うなら、まずは最初の一歩を踏み出してみませんか?」
「もちろんです!私も、Mai先生のレッスン、受けてみたいです!『抱っこ!』って言われた時に、心からの笑顔で応えられるママになりたいです。自宅で受けられる出張ピラティスなら、子どもから目を離せない私でも安心です!」
「全力でサポートさせてください。千葉県鴨川市を中心としたエリアへ、私がピラティスマットをお持ちしてご自宅まで伺います。Reiさんもぜひ!骨盤底筋ケアは、生涯を通じて、女性の健康の質を高めてくれますよ。」
【初回体験レッスンのご案内】
あなたの身体の悩みを、ぜひ一度お聞かせください。
理学療法士の視点から、一人ひとりに合った最適なプランをご提案します。 当スタジオでは、お一人で集中できる個人セッション、お友達やご家族と受けられるペアセッション、グループセッションをご用意しています。
初回体験料金:5,000円
すべてのプランが初回限定5,000円でご利用いただけます。 (個人セッションの場合、通常10,000円より5,000円OFFとなります)




