ピラティス

その「なんとなく不調」、年のせいと諦めてない?

ふとカレンダーに目をやり、ため息がひとつ。

「もう半年もこんな調子が続いている…」

なんだか自分の身体じゃないみたい。そんな風に感じることはありませんか?

Rei

「はぁ…。なんだか最近、本当に調子が悪くて。Mai先生、Konokaさん、ちょっと聞いてもらえますか?」

Mai

「Reiさん、こんにちは。どうかなさいましたか?少しお顔が曇っているように見えますが…。」

Konoka

「Reiさん、大丈夫ですか?よかったらお話し聞かせてください。」

Rei

「ありがとう。実は、ここ数ヶ月、急に顔がカーッと熱くなったり、かと思えば手足が冷えたり。夜中に何度も目が覚めてしまって、昼間はなんだか頭がぼーっとするんです。それに、ほんの些細なことでイライラしてしまって、後で自己嫌悪に陥ったり…。」

Konoka

「わかります…。私も産後のホルモンバランスが乱れていた時、すごく気分が不安定になりました。Reiさんの場合は、また何か違う原因があるんでしょうか?」

Rei

「そうなの。自分でも『更年期だから仕方ないのかな』って思おうとするんだけど、日によって症状も違うし、終わりが見えなくて…。病院に行くほどでもない気がして、ずっと一人で悶々としていたんです。」

Mai

「そうだったんですね。辛かったですね。そのように、原因がはっきりしないのに心身のあちこちに現れる不調は、多くの方が経験されることで、決してReiさんだけではありませんよ。そしてそれは、『気のせい』や『我慢が足りない』からではないんです。実は、女性ホルモンと『自律神経』のバランスが深く関係しているんですよ。」

Rei

「自律神経…ですか?よく聞く言葉ですけど、詳しくは…。」

Mai

「はい。私たちの身体は、自分の意思とは関係なく、心臓を動かしたり、汗をかいたり、内臓を働かせたりしていますよね。これを24時間体制でコントロールしてくれているのが自律神経です。自律神経には、車でいうアクセルの役割をする『交感神経』と、ブレーキの役割をする『副交感神経』の2種類があります。」

Konoka

「活動する時と、リラックスする時で切り替わる神経のことですね。」

Mai

「その通りです。日中は交感神経が優位になって活動的に、夜は副交感神経が優位になって心身を休ませる。この2つの神経がシーソーのようにバランスを取りながら、私たちの健康を支えてくれているんです。」

Rei

「なるほど。そのバランスが、今の私の身体の中で崩れてしまっている、ということなんでしょうか?」

Mai

「まさしく。そして、50代前後の女性の場合、その大きな引き金となるのが、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少です。エストロゲンは、脳の視床下部という場所から指令を受けて分泌されるのですが、実はこの視床下部は、自律神経をコントロールする司令塔でもあるんです。」

Rei

「えっ!じゃあ、同じ場所が指令を出していたんですか?」

Mai

「そうなんです。だから、閉経に向けてエストロゲンの分泌が減ってくると、脳が『もっとホルモンを出しなさい!』とパニックを起こして、司令塔である視床下部が混乱してしまう。その結果、すぐ隣にある自律神経のコントロールにまで影響が及んで、アクセルとブレーキが誤作動を起こしやすくなってしまうんです。」

Konoka

「司令塔が混乱しちゃうんですね…。だから、急に暑く(アクセル全開)なったり、気分が落ち込んだり(ブレーキが効きすぎる)するんだ…。」

Rei

「本当に、私の身体の中でまさにそれが起きている感じです。この乱れてしまった自律神経を、自分でどうにか整える方法なんてあるんでしょうか…。」

Mai

「はい、あります。そこで私がReiさんのようなお悩みを持つ方にこそ、試していただきたいのがピラティスなんです。特に、ピラティスの基本である『呼吸』が、乱れた自律神経のバランスを取り戻すための、とてもパワフルなツールになるんですよ。」

Rei

「呼吸、ですか?運動はあまり得意じゃないんですが、呼吸なら私にもできるかもしれません。」

Mai

「もちろんです。ピラティスで行うのは『胸式呼吸』といって、胸郭(肋骨)を大きく広げたり閉じたりする呼吸法です。これが、自律神経に素晴らしい働きかけをしてくれるんです。」

イメージ図:女性が座って両手を肋骨に当て、息を吸って胸郭が風船のように横に広がる様子と、息を吐いてしぼむ様子の比較イラスト
Konoka

「胸式呼吸…。ヨガの腹式呼吸とはまた違うんですね。」

Mai

「ええ。腹式呼吸が副交感神経を優位にしてリラックスに導くのが得意なのに対して、胸式呼吸は交感神経を適度に刺激して、心と身体をすっきりと目覚めさせてくれる効果が期待できます。でも、ただ興奮させるだけではありません。『細く、長く、すべて吐き切る』ことを意識した深い呼気は、今度は副交感神経を優位にして、心を落ち着かせてくれるんです。」

Rei

「吸う息でスイッチを入れ、吐く息でリラックス…。なんだか、自分でアクセルとブレーキをコントロールする練習みたいですね。」

Mai

「素晴らしい表現です!まさにその通り。ピラティスの呼吸と動きを連動させることで、『今はアクセル』『今はブレーキ』と、自分の意思で自律神経のスイッチを切り替える訓練ができるんです。これを繰り返すことで、日常生活での些細なことで乱れがちだった神経のバランスを、自分で上手に取れるようになっていくんですよ。」

Konoka

「なるほどー!ただ身体を動かすだけじゃない、深い目的があるんですね。」

Mai

「はい。激しい運動で心拍数を上げて交感神経ばかりを優位にするのではなく、自分の身体の内側、呼吸や背骨一本一本の動きに意識を向ける。その穏やかで集中した時間が、ホルモンのゆらぎでバラバラになりがちな心と身体を、もう一度優しく繋ぎ直してくれるんです。」


【コラム】まずは座ったまま30秒。心を落ち着ける「肋骨呼吸」

Mai

「もしよければ、今ここで一緒に簡単な呼吸法を試してみませんか?椅子に座ったままでできますよ。」

Rei

「はい、ぜひお願いします!」

  1. 楽な姿勢で椅子に座り、両方の手のひらで左右の肋骨を優しく包むように触れます。
  2. まずは、口から「はーっ」とため息をつくように、今ある息をすべて吐き出します。
  3. 次に、鼻からゆっくりと息を吸い込みます。この時、触れている手のひらが左右にぐーっと広がっていくのを感じましょう。胸や肩の力は抜いて、肋骨が風船のように膨らむイメージです。
  4. 今度は、口をすぼめて「ふーっ」と細く長く、ろうそくの火を消すように息を吐き出します。手のひらで、広がった肋骨がゆっくりと中央に戻ってくるのを感じながら、お腹の奥が少し引き締まる感覚があれば完璧です。
Mai

「これを3回ほど繰り返してみましょう。…どうですか?少し胸のあたりがスッとして、頭がクリアになる感覚はありませんか?」

Rei

「本当ですね!なんだか、身体の中に新しい空気が入ってきたみたい。これなら、仕事の合間や家事の途中でもできそうです。」


Mai

「良かったです。そんな風に、日常の中に少しずつ取り入れていくだけでも、身体はきっと応えてくれますよ。」

Rei

「なんだか、すごく希望が湧いてきました。『歳のせい』『更年期だから』って諦めるしかないと思っていた不調も、自分で対処できる方法があるんですね。」

Mai

「もちろんです。50代からの不調は、決して諦めるものではなく、『これまでの頑張りを労い、新しい身体との付き合い方を見つける期間』なんです。ピラティスは、そのための素晴らしい道しるべになってくれます。」

Konoka

「新しい身体との付き合い方、素敵な言葉ですね。」

Mai

「ええ。私が理学療法士として病院でサポートさせていただいた方々からも、呼吸を意識した穏やかな運動を続けることで、『夜ぐっすり眠れるようになった』とか、『理由のないイライラが減って、気持ちが安定するようになった』といったお声をいただくことがよくありました。身体が整うと、心も自然と穏やかになっていくことが期待できるんですよ。」

Rei

「わあ…。まさに今の私が目指したい姿です。こんな風に私の身体の仕組みから丁寧に教えていただけて、呼吸法だけでもこんなに気持ちが落ち着くなんて…。Mai先生のレッスン、私も受けてみたいです。」

Mai

「もちろんです!『出張ピラティス鴨川 凪』では、Reiさんのその日の体調や心の状態にじっくり耳を傾けて、『今日のあなた』に一番合った無理のないプログラムを組みますから、運動が苦手な方でも全く心配いりません。ご自宅という一番リラックスできる空間で、一緒に心と身体を整えていきましょう。」

Rei

「はい!なんだか、これからの自分の身体と向き合うのが、少し楽しみになってきました。」

Mai

「その気持ちが、何よりもの第一歩ですよ。」

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ABOUT ME
Mai
理学療法士として病院勤務の経験を持ち、現在は3人の子どもを育てながら活動しているインストラクターMaiです。 体にやさしい運動を、自宅で安心して続けられるようにサポートします。